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フルスクラッチで創り上げられた極上のW650 CHOPPER
時代によって流行り、廃りはあるものの、ビルダーが手塩にかけた極上のチョッパーは時を経ても尚、色褪せるものではありません。
たとえば現在、サバイバーと呼べれる60〜70sチョッパーや、アーレン・ネスやダック・デンバーが創り上げたマシンたちを見ても、さほど古さを感じないように『本当に良いもの』には、ある程度の時の流れなら、いとも簡単に超越する魅力が存在することは、まず間違いないでしょう。
ここに紹介する愛知県豊橋市のフリースタイルモーターサイクルによる一台も製作年月日を遡ると2013年の作品なのですが、ご覧のとおり、古さを感じさせないフィニッシュに仕上げられています。
キャブ仕様のカワサキW650をベースにこの一台は製作されているのですが、いわゆるアメリカン・モデルでない素材ゆえ、構成するパーツ類のほとんどをビルダーの中川年久氏はワンオフでビルドアップ。ナローなロングスプリンガーやシート下にモノショックでサスが隠されたソフテイルフレーム、そのフレームのラインに沿うように造られた電装ボックスやフューエルタンクなど、外装パーツには隙がありません。
また車体のハンドリングにしても、このマシンは極端に重いということはなく、それどころか、むしろ軽さを感じるものとなっているのですが、これもワンオフのスプリンガー・ボトムロッカーを適切な長さに調整した賜物でしょう。似たようなスタイルのロングフォークチョッパーでも、ビルダー側がこうした箇所に気を使うか否かで、その乗り味は大きく異なります。そうした部分もチョッパーの奥深さです。
2013年、ウエストジャパン・カスタムモーターサイクルショーでのベストと本誌チョッパージャーナルのピックを獲得したこのマシン。繰り返しになってしまいますが、今も古さを感じさせない傑作です。
エンジンはカワサキ650ccのバーチカルツイン。基本はストックですがガンメタにコーティングされたケーヒンFCRが鋭い加速を約束します。
チョッパーらしくシフトはフットクラッチ&ジョッキーに変更。ワンオフならではのシフトノブの曲線が、この一台の完成度の高さに貢献する。サイドスタンドもワンオフで製作。
車体に沿うように納められたシートもフリースタイルによるワンオフ。シートベースのバックレスト部を可動式にすることによって、リアサスの動きを妨げない配慮がなされている点は流石です。
絶妙な形状はもとより、前後端部のフィニッシュの造形にも注目したいタンクはフリースタイルの手によるワンオフ。サンバースト調の深みのあるペイントはBODY-REPAIR-SHOP-KOLORが担当する。
グリップテープが巻きつけられたバックホーンハンドルもフリースタイル製ワンオフ。超小型のブレーキマスターやインナースロットル化でシンプルさを演出する。
極ショートなスラッシュカットマフラーもフリースタイル製。ホットロッドのソレを彷彿させるジョイント部など、細かな箇所にセンスを感じる仕上がりが与えられています。