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『今』の時代だから際立つ、ソフテイルという素材の魅力
過去を振り返ると「カネのない当時の若者たちが中古車両に手を加え、創り上げた」という歴史を持つチョッパーというもの……そうしたことを踏まえ、考えると今の時代にチョッパーのベースとして最も適したハーレーダビッドソンは、ともすればソフテイルモデルかもしれません。
もともとリジッドフレームを備えるナックルやパン、そして社外フレームやハードテイルを取り付けたショベルヘッドなど『定番』のベースは多々ありますが、現在、それらのモデルは驚くほど高額。若者が手を出しようにも、最初の一歩も踏み出せないのが現実ではないでしょうか?
チープな車両に手を加え、ストックよりもスタイリッシュかつクールに……そんな基本理念を考えるとここに紹介するコズミックによるTCソフテイルベースのチョッパーは、同モデルが比較的安価に中古車市場で流通される今の時代、まさに正統なチョッパーといえるものです。
2004年式FLSTFファットボーイをベースに、鈍重な外装を捨て去り、オールド・フリスコスタイルを現代的にアレンジしたエクステリアは、すべてコズミックによるワンオフなのですが、タンクの造形やマウント位置、リアフェンダーの長さやストラットのデザインなど随所にビルダーの三浦大介氏のセンスが光ります。似たような仕様のフリスコチョッパーでも、創り手の繊細な感覚の違いで、微妙にフィニッシュに差が現れるのも、この手のマシンの奥深さではないでしょうか?
またこの車両はメインフレームをストレッチし、リアのフェンダーストラットをカットしてあるのですが、ここら辺の処理もビルダーのセンスと技術が垣間見えます。特に、こうしたマシンの場合、ストラット部分を荒っぽく切断しただけのものが多く見受けられますが、この点の仕上がりに気を配るだけで完成度は大きく違います。無論、このコズミックのマシンは、そうした部分もパーフェクトです。
ストレートな物言いで表現してしまうと鈍重なマシンを軽快に、カッコ悪いストックをクールに昇華するのがチョッパーの基本。そうした部分を踏まえると、このコズミックによる一台は完璧です。
エンジンは2004年式TC88モーターをRSD製ロッカーカバーとカムカバーでドレスアップ。同系色ながら絶妙な塗り分けにもビルダーのセンスが光ります。エアクリーナーカバーはS&S製。フットコントロールはビッグマシン、ペグはRSD製を装着します。
タンク底部にリブがあしらわれたコズミック製タンクは当然、ワンオフで製作したもの。WAKESによるモールディングとフレイムスのラインも絶妙です。https://www.facebook.com/wakes2015/
高級感溢れる仕上がりのシングルシートはジミードープ製。メインフレームに溶接されたタブとマウントの造形の細かな作り込みにも注目です。http://jimmydope.com/
39φのフォークが装着されたトリプルツリーとライザーはコズミック・オリジナル。ブレーキローターはEBC製、キャリパーはHHI製を選択する。ホイールは前後ともビッグマシン製。