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2019年09月05日

AN-BU Custom Motors XL1200S Racer


取材協力=アンブ カスタムモータース phone 052-776-0651 http://www.an-bu.jp/

ストリートとサーキットを両立するスポーツスター・カフェレーサー

近年のカスタムシーンで人気が高まっている『カフェレーサー』というジャンル。かつて80年代には日本車やイタリア車を素材にしたものが流行し、それ以前には50年代、イギリスでロッカーズが走らせたものがアタマに思い浮かびますが、現在ではカフェにチョッパー的な手法を取り入れたり、またはハーレーをカフェレーサー的にカスタムしたり、ジャンルの境界線というものが曖昧になっている感を受けます。
80年代に流行ったものは、サーキットを走るロードレーサーを踏襲したスタイルが多く見られましたが、現在のカフェレーサーには、より自由な発想で生み出されたストリートの匂いがするものが存在します。その急先鋒といえるショップが愛知県の名古屋市に拠点を置くアンブカスタムモータースです。

2019年4月にポートメッセ名古屋で開催されたジョインツ・カスタムバイクショーに出展されたこの一台も、アンブらしい仕上がりが与えられており、生々しいストリートの匂いが車体から滲み出ています。
とはいえこのマシン、オーナーはサーキット走行も念頭に置いているとのことで、カウルはレース時の熱を考慮し、上下がセパレート状になるよう脱着可能。ベースとなったハーレー・スポーツスター1200Sに同店製のフルカウルを装備した上でヘッドライトを二眼で配置し、アルミ叩き出しのライトカバーで表情が引き締められている姿はストリートバイクらしい佇まいなのですが、あくまでもこの一台が目指すのは公道とサーキットの二刀流とのことです。

 この車両を前にビルダーの藤田浩一氏は「弊社の汎用パーツを使い、オーナー様の細かい指示のもと製作したこだわりのXLです」と語りますが、サーキットを走る為、オーダーで車高調をアップしたYSSサスや前後に装着されたアクティブ製グライド・ホイールとブレンボブレーキ、サンダンス製トラックテック・トリプルツリー、アンブオリジナルのバックステップなどを装着することによって走りのファクターを武装。タイヤはダンロップのα-14が選択されているのですが、ここも「街乗りにもサーキット走行にも幅広く使える」のが理由です。
その昔、1940年代に登場した『BOBBER』では、公道走行可能な車両が参加条件のレギュレーションもあったのですが、現在は、レーサーはあくまもでもサーキット専門、ストリートマシンは公道のみというアプローチでバイクを製作するビルダーも少なくありません。そうした中、走りのステージを問わずオーナーの希望どおりにカスタムを生み出すアンブのマシンが『自由』な雰囲気を醸し出すのは、至極当然なことなのかもしれません。


キャブはロードレーサー仕様としては珍しくS&SスーパーEをチョイス。ハイフローが見込めるステルスエアクリーナーも同社製。


マフラーはワンオフのエキパイに容量をアップしたアンブ製サイレンサーの組み合わせ。身長180cmのオーナーに合わせてワンオフで製作されたバックステップもアンブの手によるもの。ダンパースプロケットはX.A.M.製をチョイス。


タンクはスポーツスターへの装着が珍しいSR用のマンクスタイプを選択。定番のテンプレートに縛られない、こうした自由な発想がじつにアンブらしい。ペイントは藤田浩一自身が手掛けたもの。


テールカウルはタンクやカウルとのバランスを考慮し、製作されたTZタイプを装着。テールランプはイージーライダース製のLEDをチョイスする。


メーターパネルはオーナーが描いたイラストを元にアルミで製作したワンオフ。中心に鎮座するタコメーターはウルトラ製のステピッングタイプ。


いかにもアンブらしいツラ構えを演出するオリジナル・カウルにはプロジェクターランプを二眼で仕込み、ワンオフのライトカバーを装着。ホイールは前後ともアクティブ製グライドホイール。ブレーキキャリパーはブレンボを装備する。カウル内に収められたトリプルツリーはサンダンス製トラックテック。 
 

 

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